モノゴコロ

⭐️ 物心がつくって.. 幼い頃の話で よく言うけど... ⭐️ ⭐️ 実は.. それ以降ずっと.. 物心はついたままなんだ.. ⭐️ ⭐️ 生きてる限り... ⭐️

ジッカ

 


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ジロー

自分が小学校低学年から大学を卒業して就職するまで家で飼っていたオスの柴犬。

可愛いがってはいたが、子供の頃は特に勝手なもんで、飼い始めた最初はまだ面倒をみていたけど、少し経つと散歩も連れて行かずにオヤジやオフクロ、バアちゃんに任せきりで、今思えば申し訳ない事も多々あった。

自分はひとりっ子だったので弟みたいだから、ジロー。

ヒドいアニキだったな。
ごめんな。

だからであろう、ジローが一番好きなのはオヤジで、その次にオフクロとバアちゃんで、自分は都合のいい時しか相手にされなかった(笑)
犬はよくわかっている。

ジローの顔をのばしたりひっぱったりしてよく遊んだ。
キツネイヌ
タヌキイヌ
ボウズイヌ
(笑)
機嫌のいい時は黙ってちょっと迷惑そうな目で応じてくれた。
ワニの様に平たく寝そべって上目遣いでこちらを見る格好はたまらなかった。
ひっくり返してグヂャグヂャして遊んだりもした。
庭の植木の根元をよく掘っていた。
時々、家の中にも入れてやった。
オスワリと、たまにオテ、しかできなかった。
知らない人には吠えていたので一応番犬だった。

犬の寿命からすると長生きな方だったと思う。最後の方は老衰の寝たきり状態で、オフクロが付きっきりだった。
そんな時、自分はもう就職が決まる歳になっていて東京に何週間か研修に行くという事になり、出発の朝、バタバタしてアタマを撫でていくのを忘れてしまった。
とても気になっていた。

そしてやはり...

帰って来た時にはもうジローはいなかった。
オフクロが気を使って研修中には電話してもその事は言わないでくれていた。

 


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結婚して出ていくまで住んでいた自分の実家。

ここには、そんなジローとの思い出がある。

そして、バアちゃんも、オヤジも、オフクロも亡くなって、今はもう誰も住んでいない空き家だ。
もちろん、そんな家族との思い出も数限りない。

今住んでいる自宅から一駅離れて駅から10分強ほど歩いた坂の上の方にある。
小学2年の時にここに引っ越してきた。
当時は新興住宅地の走りみたいな感じもあったが、辺りは山と原っぱ、家が建ってない土地だけがゴロゴロあった。
そんな原っぱでよく遊んだっけ。
今は周りにけっこう家も建っているが、ちょっと奥まっていて道幅も狭く坂も多く、そんなに住みやすいところでもない。

最後まで住んでいたオフクロに今の自宅に来てもらって亡くなるまで、そしてさらに最近までの約8年間、ほったらかしだった。

築後かなり経っているし周りの環境と土地や建物の問題でとても売れるものではなかったが、これ以上このまま放っておくわけにもいかず、つい最近になってようやくいろいろ当たっていたところ思いのほか急遽買い手がついた。

というより、ほぼ譲るというか、引き取ってもらう感じなのだが。

小さな家だけど、オヤジとオフクロが建てた家でもあるだけにそんな手離し方がとても辛い。

それと、散々ほったらかしだったのに、そうと決まってしまうといろんな思い出も急に湧き上がってくる。

やっぱり自分は勝手なもんだ。

そんな自分は、この地に転校してきた小学生の時以来、中学、高校、大学とずっと、この家から通った。
また、就職しても、結婚するまでここに住んでいた。

少年期、青春時代、血気盛んな頃、
間違いなくここで育った。
ここに、この家に育ててもらったのだ。

今さら勝手だけど、やはりとても感傷的になってしまう。


近所の原っぱ
友達
草野球
缶蹴り
集団登校
虫採り
クワガタ
カブトムシ
古池
魚釣り
自転車
漫画本
テレビ
ヒーロー
刑事ドラマ
AMラジオ
深夜放送
青春ドラマ
バラエティー
思春期
反抗期
バスケ部
練習
片想い
試合
テスト勉強?
レコード
歌謡番組
オーディオ
ベストテン
カセットテープ
受験勉強?
帰宅部
ギター
ベース
洋楽
恋愛
親友
バカ笑い
バンド
作曲
徹夜
スキー
旅行
免許
クルマ
就職
結婚

みんな、ここに、
この家とともに、あった。

クラシック音楽
夕飯
買い物
大掃除
正月
お節料理
四天王寺のお参り
元気な頃のバアちゃん
一緒にお出かけした頃
点ててくれた抹茶
火鉢
煙管
昔の話
ボケてきて困ったバアちゃん
オヤジ
キャッチボール
取っ組み合いのケンカ
晩酌
タイガース
ハーモニカ
ウイスキー
オフクロ
手料理
ジャイアン
家事
鼻歌
言い合い
こだわり

ジロー

いただきます
ごちそうさま
いってきます
いってらっしゃい
ただいま
おかえり


そして、

...さよなら.....


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もう中へは入ることもできない。

そしていずれはなくなってしまうんだ。

 


..本当に.....本当に.....


今まで、ありがとう。


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