テンコウセイ

自分は転校生だった。

小学２年生の２学期も終わる頃、今住んでいるジモトにやってきた。
田舎の学校、当時は１学年２クラス。元からいるヤツらがほとんど。
やはり始めは今で言うアウェー感ってのが少なからずあった。

そんななか最初にできた友達は、仲良しが多くグループを引っ張っている様なヤツだった。もちろん男子。
入学時からいて転校生ではなかったはずだが、どこか他所から来たと聞いた事がある。
自分は人見知りする様なタイプではなかったが、キッカケはソイツが声をかけて仲良くしてくれたおかげで、段々みんなと打ち解ける様になったんだと思う。
しかし、ソイツはその後少し経って、逆に転校していった。

でも、そうやってよくしてもらった事がうれしかったのか、
自分は以降それを引き継ぐ様な形で、周りに新興住宅地が増えて毎年来る様になった転校生たちに最初から声をかけていった。

それと、田舎だから学校も少ないし、小学校から中学校へはほとんど同じ顔ぶれで上がっていく。
だから、中学３年まで、ずっとそんな調子で同じ立場の転校生たちと連んで遊ぶ事も多かった。

今では、そんなヤツらとも随分と疎遠になってしまった。
みんな、またここから先へ遠くに移っていった者たちも多いし。

今日は最近やっている中学時代のミニ同窓飲み会４回目。
集まったのは、女子８名、男子３名(無勢T_T)の１１人。
もちろん元転校生も、そうでない者もいる。
集まれる距離にはいるが、女子は嫁いだりもして、みんなほとんどもう地元には住んでいない。

今地元にいるのは、自分を含めて２人か？

今回、前回までの参加者に新たに女子１名、男子１名が加わった。

男子１名は自分が引き入れた。
ソイツは中学も後半ギリギリになってやって来たやはり転校生。中学時代最後に仲がよかったヤツだ。
お互い子供が大きくなってきたあたりからずっとあまり会ってはいなかったが、同窓会時には声をかけたり、何年か前には久々に共通の友達と一緒に会ったり、年賀状だけは出し合ってる様な関係だ。
ちょっと前から単身赴任で東京だったが最近帰ってきた。
自分の結婚２次会なんかにも来てくれていたのに、他の離れてしまった者たち同様、疎遠になるところだ。

二枚目で、当時は足が速く勉強もできるという三拍子揃ったヤツで、その僅かな期間の間にも特に女子たちに注目されていたのだが、
本人は、そんな短い期間で印象もなく誰も憶えててくれていないんじゃないかといつも不安気だ。
今回もなんだか腰も重いところもあったが、背中を押して連れてきた様な恰好。

先日の同窓会には来ていて、その時もそうだったが、結局みんなと話もできて、終わったら楽しかったみたいな事を言うヤツでもある。
そりゃそうだ、出席者はほぼ女子でオマエの印象がない訳がない！

なんだか、自分はやっぱり、未だに転校生を放っておけない性分なのかもしれない。

後、そういや、前々回の飲み会でも思い出話をしたのだが、小学３年の時、一度、女子の転校生に対しても積極的だった事がある。
担任の先生が促した様なところもあったが、その子が転校して来て間も無くでまだ心細いであろう登校時、家が近くだった事もあって、毎朝迎えに行って一緒に学校に行くというのをしばらく続けた。

ただ、
積極的な割には恥ずかしくて、
何も話さず自分はちょっと離れて先を歩いて、その子は黙ってその後をついてくるっていう....

.....う〜ん、今こうやって書くのもやっぱりなんか恥ずかしい(^^;;
ウブでちょっと甘酸っぱい思い出でもある。

もちろんその子もその事を憶えてくれている。
そして、今日も一緒に飲んでいる。

嗚呼、改めて、赤面！（笑）

最近ちょっとずつだが復活ぎみのどんどん新しい出会いを求めてしまう自分の性格は、この頃に形成されたのかもしれない。