トウキョウ

東京...

政治、経済、社会の中心。
ファッション、芸能... 文化、芸術、メディアの発信地。 使い古した表現で今さらでもあるが、一方で現代はネット時代の情報化社会（これらも死語か？）、もうローカルなんてないと言われる側面もありながら、
それでもやはり、日本の中心的なイメージは変わらない。
...首都だから当たり前か.. 。

そんな大層な話ではないが、
でも未だにそういう東京だから、対する周りのみんなそれぞれの思いや憧れも様々なんであろう。
オリンピックが決まった事もあり、最近改めて考えたりする。
昔から、東京の人は冷たいと言われる印象も、我々地方からの 逆にネタミの様なものもあったのかもしれない。

言うまでもなく、どこの地域も人情の冷たさ温かさはヒトによる。

自分は大阪出身、４歳の頃から奈良在住である。
東京に上(のぼ)ったのは、大学を卒業してから１９年近く勤務した会社の入社時研修で行ったのが最初。
田舎者なので、それまでは一度も行った事がなかった。
しかし、大阪採用でずっと大阪の事業所勤務ではあったが、その後も仕事で東京本社には幾度となく足を運ぶ事となり、毎月１回は出張で訪れていた時期もあった。
それ故、ちょっと特別な思いもあったりする。

営業職だったので、顧客との間に立って＂現場＂を動かすのも仕事であった。
従って、本社が絡む仕事の際には本社のスタッフともやり取りは頻繁だった。時には顧客も交えて。
そんななか、スタッフたちはレスポンスもよく、自分にとってはコミュニケーションが取りやすく、いろいろ助けてもらったいい印象が多く残っている。
だから、毎回出張する事も大阪での仕事よりずっと楽しいモノだった。
そういう事もあって、とてもとても狭い範囲での東京ではあるが、個人的には、特に人が冷たいというイメージは持っていない。

ただ、東京人も地方から出てきている方も多いと聞く。 それと、その時代の仕事は、納期にも予算にも余裕があった。
現在(いま)から考えれば、バブルが残るイイ時代であった事は間違いない。
お金と時間に余裕があればヒトは優しい。
それでだったのか？？

その会社を自分が退職してからは早１４年が過ぎた。
辞めてしばらくして、自分のいた大阪事業所も閉鎖されてしまった。
数字の問題だ。
当たり前だけど、会社は冷たいものだ。
大阪の従業員たちは別の会社に受け入れてもらったり、本社に異動となったり、自分の様に会社を去ってしまったり... 。
多分、その時に自分が残れていたとしても、選択肢は本社に異動するしかなかった。
先立って退職に至ったのは、その事を予感して家族を含め今暮らしているところを離れたくなかったという事も理由のひとつにはあった。
営業職の立場からは逃げた形にもなるし葛藤もあったが、他に思うところもあり後悔は今でも一切無い。

東京は、仕事はオモシロくそれに憧れても、周辺は暮らすには住みにくい街...
知ったかぶりで偉そうにも当時はそんな風にも思っていた。

だけど、お世話になった人たちや先輩、同期、そして、大阪で一緒に働いていた後輩や当時の同僚の何人かは本社に異動して、そんな街に暮らして、今も頑張っている。
あの頃と違って仕事の方は、納期や予算、内容的にも会社の体制的にも、きっととても厳しい状況のなかで。

ちょうど２年前の今日、
そんな人たちに、久しぶりに会いたくなって、休日だったので泊まりで遊びに行った。
こんな自分でも、未だに繋がってくれている先輩と大阪から異動して頑張っている後輩が、かなり忙しいなか飲み会など設定してくれて、同期や他の大先輩たちも何人か集まってくれて、とても楽しいひと時を過ごさせていただいた。

やはり、人の温かさに変わりはなかった。

その時はもちろん昔の話にもなり、
思えば、自分は、出張していた頃が、今までの人生で仕事が一番楽しかった時期でもあったと振り返ったりしたのだった...

と、そう書くと終わってしまうな。

いやいやもちろん、人生、まだまだこれからである！

そう言えば 出張していたあの頃も、泊まりで行くと仕事終わりで本社のみんながよく飲みに誘ってくれた。
飲みに行ったあと、ひとりでビジネスホテルに戻る途中の大都会の夜空。
見上げると、仕事でのいい事も悪い事もなんだかドラマのワンシーンの様に思えてちょっとなんかイケてる感じになったものである。
一瞬自分にもちょっと酔ってたっけ... ？
酒に酔ってただけか？（笑）

東京...

想うだけでどこかトキメいてしまう。
田舎者にとっては、今なお そんな街ではある。